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知的財産知恵袋 Mail Magagine Archive

【2012年8月24日 第20号】

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◆◇◆ 佐野国際特許事務所 メールマガジン ◆◇◆
2012年8月24日 第20号
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発信元:佐野国際特許事務所

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このメールマガジンは、弊所とお取引のあるお客様や、過去に名刺交換等を
させて頂いたお客様等を対象に送らせて頂く、無料のメールマガジンです。

知的財産に関する昨今の話題や、お客様の実務上お役に立つと思われる情報を
ピックアップして、送らせて頂きます。

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目次

◆◇ 特集 平成23年度特許法等改正について(その2) ◇◆

 1.審決取消訴訟提起後の訂正審判の請求の禁止

 2.再審の訴え等における主張の制限

 3.審決の確定の範囲等に係る規定の整備

 4.無効審判の確定審決の第三者効の廃止

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◆◇ 特集 平成23年度特許法等改正について(その2) ◇◆

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<<はじめに>>

すでに皆様ご存知かと思いますが、平成23年(2011年)に特許法等の改正が行
われ、平成24年(2012年)4月1日に施行されました。
本改正についてご質問を数多くいただいておりますので、3回にわたり本改正
について解説させて頂いております。
今回はその2回目です。

本改正は特許法、実用新案法、意匠法、商標法等にわたりますが、特許法に関
する話が中心になりますことをご了承下さい。

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1.審決取消訴訟提起後の訂正審判の請求の禁止

<<法改正前の問題点>>
無効審判の審決取消訴訟が提起された後90日以内に限り、訂正審判の請求が
可能でした。
その場合、裁判所は判決を行わずに差戻し決定ができました。
その結果、事件が特許庁と裁判所を往復する、いわゆる「キャッチボール
現象」が起きていました。
これは、手続として非効率で、当事者に無駄な負担を強いてしまうという
問題がありました(図1参照)。

* 図がうまく表示されない場合、メーラを「等幅」設定にしてご覧下さい。*
(Outlook Expressの場合:「表示」→「文字のサイズ」→「等幅」)

<<改正法>>
そこで改正法においては、審決取消訴訟提起後は訂正審判の請求ができない
こととしました(特許法第126条第2項ただし書削除)。
また、訂正審判請求に起因して裁判所が事件を差し戻す規定を廃止しました
(特許法第181条第2項の削除)。

一方、無効審判において「審決の予告」を行い、特許権者に対し、
審判官合議体の特許性に対する見解を事前に示すことで、訂正を行い易く
しました(特許法第164条第2項)(図2参照)。

2.再審の訴え等における主張の制限

<<法改正前の問題点>>
民事訴訟法には「判決の基礎となった・・・行政処分が後の・・・
行政処分において変更されたこと」という再審事由が規定されています
(民訴法第338条第1項第8号)。

そのため、特許権侵害訴訟における無効の抗弁(特許法第104条の3)で
当事者には十分に主張の機会が与えられているにも関わらず、
判決後の無効審判や訂正審判の結果によっては再審とされ、確定判決が
取り消されてしまう可能性がありました(図3参照)。

これでは紛争が蒸し返されることになるため、特許権侵害訴訟の紛争解決
機能等の観点から見て問題がありました。

<<改正法>>
そこで改正法においては、特許権侵害訴訟等において判決が確定した後に、
判決の根拠と異なる内容の審決が出ても、当該審決を根拠として
再審の請求をすることができないものとしました(特許法第104条の4)。

3.審決の確定の範囲等に係る規定の整備

<<法改正前の問題点>>
法改正前においては、訂正審判、及び無効審判中の訂正請求における
判断の単位、判決の単位が、「請求項ごと」に扱うのか「一体不可分」
に扱うのかが法文上明記されておらず、扱いが不明確になっていました
(表1参照)。

<<改正法>>
そこで改正法においては、請求項が二以上ある特許権においては
請求項ごとに訂正審判、及び無効審判中の訂正の請求ができるものとしました
(特許法第126条第3項、134条の2第2項)。

また、引用関係(上位請求項を引用する従属項)は「一群の請求項」として
一体不可分に扱うものとしました(特許法第126条第3項、134条の2第2項)
(表2参照)。

更に、請求項間の引用関係を解消する訂正を認めることにしました
(特許法第126条第4項)(表3参照)。

4.無効審判の確定審決の第三者効の廃止

<<法改正前の問題点>>
法改正前においては、無効審判が確定すると、何人も、同一事実・同一証拠
に基づいて、再びその特許権に対する無効審判を請求することはできない旨
規定されていました(いわゆる「一時不再理」特許法第167条)。
しかし、第三者にまで「一時不再理」の効力を及ぼすのは、第三者に対する
手続保障が十分でない特許制度においては行き過ぎとの指摘がありました。

<<改正法>>
そこで改正法においては、いわゆる「一時不再理」の効力を同一人のみに
限定しました(特許法第167条)。
これにより、第三者は、確定審決と同一事実・同一証拠に基づいて
再度無効審判を請求することができるようになりました。

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前編の説明はとりあえずここまでとします。
次回は、平成23年度特許法等改正について(その3)、以下の内容をお送り致し
ます。

 1.通常実施権等の対抗制度の見直し

 2.冒認・共同出願違反の出願に係る救済措置の整備

 3.商標権消滅後1年間の登録排除規定の廃止

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◆◇ 編集後記 ◇◆
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最後までお読み頂き、ありがとうございました。

暑い日がまだまだ続きますがいかがお過ごしでしょうか。
8月も残すところ僅かです。お子さんをお持ちの方は、そろそろ夏休みの宿題
をしなさいと角が生えている頃合でしょうか。

ちなみに私は、読書感想文と美術で苦戦するタイプでした。

皆様、引き続き今後ともよろしくお願い致します。

ご意見やご要望があれば遠慮なく、下記の「連絡先」までご連絡下さい。

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